OCN競馬 > 競馬入門 > パドックの見方

競馬入門

パドックの見方

はじめに

はじめに

 競馬の面白さをどの点に見出すかは人それぞれ。これはあくまで個人的な考えだが、競馬の醍醐味の半分はパドックにあると思う。もしあなたが競馬をより深く楽しもうと思えば、パドックは避けては通れない道になるはずだ。ただし、最初にお断りしなければならないのは、パドックでの馬相眼を極めるのは意外と難しく、時間を要する。恐らく初心者がパドックに足を運んで馬を見比べても、殆どの人が毛色ぐらいしか違いを見出せないはず。その術を身に付けるのに必要な第一条件は根気なのだ。

馬産地や厩舎で働く人になると、一頭の馬をチェックするポイントは20ヶ所を超えると言われている。しかし、一般の競馬ファンに与えられる時間は20分前後。その中で全出走馬を完璧に品定めするのはとても無理ではあるが、だからといって「分らない」の一言でそれを放棄するのは非常にもったいない。なぜなら、パドックには予想のヒントとなるポイントがたくさん埋もれているからだ。ここでは初心者にも分りやすく、それでいて必ず役に立つ馬体のチェックポイントとその理由をレクチャーしていこう。

※ここで説明する内容はあくまで一般論であり、必ずしもそのとおりの結果になるとは限りません。

馬体の特徴
■胴(体型)

胴(体型)

▲希代の名スプリンター・サクラバクシンオーの産駒は大柄で筋肉質タイプが多い。

胴(体型)

▲名馬トウカイテイオーの半弟にあたるサンデーサイレンス産駒トウカイオーザ。全8勝を芝2,000〜2,500mで挙げオープンで活躍した。

 競走馬の体型を大雑把に分類すると、スプリンター(適性距離1,000〜1,200m)、マイラー(1,400〜1,600m)、中距離タイプ(1,800〜2,400m)、ステイヤー(2,400〜3,000m以上)に分けられる。しかし、スプリンターとマイル、中距離とステイヤーはそれぞれ馬体の特徴が類似しているので、ここではこの2タイプに分けて解説する。この2タイプの馬体の特徴は、真逆のパターンが多い。

一般的に胴が短く全体的に筋肉が発達していて(特にトモ=後肢)、丸みがある馬体はスピードタイプでスプリンター〜マイラー型。サクラバクシンオー産駒やジェイドロバリー産駒にこのタイプが多く、筋肉質の体型のため見栄えがする。また、芝・ダート兼用の馬も多い。
逆に、胴が長く全体的にすっきりとした体型は中距離、ステイヤータイプで、芝のレースに適正がある。サンデーサイレンスとその後継種牡馬たち(フジキセキ、ダンスインザダークなど)の産駒のほとんどがこちらの体型と言えるだろう。中でもオープンまで出世する馬は単純にスマートなだけでなく、全身のバランスが優れ(手脚、首の長さや筋肉の付き具合)洗練された印象を受ける。

分りやすく例えると、人間の陸上競技でも短距離走者は筋骨隆々で、見るからにエネルギッシュな印象を受ける。逆にマラソンランナーは無駄肉のない絞り込まれた体型で、短距離走者と比較するとかなりスマート。競馬の世界でも同様のことが言えるだろう。

■トモ(後肢)

トモ(後肢)

 「体型」と一部重複するが、この部分についてもう少し解説しよう。大雑把に分類すると、トモに丸く厚みがあり筋肉が発達していると、逃げ・先行型のスプリンター〜マイラー。逆に薄くてスマートにならば差し・追い込み型で中距離型・ステイヤーの芝コース向きといえる。
ただし、近年はスピード型種牡馬の導入が急速に進み、3,000m超の菊花賞や天皇賞・春でも適性距離がマイル〜中距離向きの馬が出走し好走することがあり、典型的な長距離向き体型の馬は少なくなっている。また、脚質に関してもレース展開や騎手の乗り方で大きく左右されるので、例外はかなり発生するので注意が必要だ。

■脚の長さ

脚の長さ

 これは一頭一頭、明確に違いがあるので初心者でも見分けがつきやすい。全体的にスプリンター・マイラーは脚が短く「跳び」(歩幅の大きさ)が小さい。逆に中距離型・ステイヤーは脚が長く「跳び」が大きい。そして、脚長の馬はバランスを崩しやすい重馬場を苦手としていて、ゆったりとコーナーを周れる東京や(外回りの)京都コースを得意とする傾向が高い。

■首さし

首さし

 スプリンター・マイラーは首が高く、軽快な先行力を持つが、馬体を併せた追い比べの形になると脆い。このタイプは自分のペース(もしくは得意の展開)に持ち込むと圧勝もするが、それを崩されると思わぬ大敗を喫することがあり、競争成績が安定していないタイプが多い。逆にこのタイプでオープンまで出世する馬はある程度、脚質に幅がある(得意の形を崩されても融通が利く)パターンが多い。

一方、中距離型・ステイヤーは首が低く、短距離馬に比べ軽快なスピードは劣るが、追い比べの形になると強さを発揮。“追って味がある”馬はゴールが近付くにつれ首を伸ばすようにして使い、強い推進力に代えながら先行馬を捕らえにいく。このタイプの一流馬はゴール前での際どい“首の上げ下げ”の展開に強いといえる。その一方で、オープンクラスまで届かない馬は、相手のレベルに左右されず常に掲示板(5着以内)に載る安定性がある代わりに、なかなか勝ちきれない「ジリ脚」タイプも多い。

このページの先頭へ